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           メール・マガジン

      「FNサービス 問題解決おたすけマン」

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    ★第144号       ’02−07−05★

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     技法用日本語力     

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Rational Process は

 

要するに<考え方>、即ち<考える葦>人間の、呼吸同然の自然な行為

を技法化したもの。 だから決してすたることが無い、、と胸を張って

おりますが、正直なところ、時々心許なくなる。

 

特に「国語力低下!」のような見出しに遭遇すると、1週間くらい心が

穏やかでない。 私が気を揉んでどうなるというものじゃありませんが、、

 

 

ワークシートに書き込んで行く技法、何をどう記述するかによって捗り

具合や成果が違って来ます。 即ち、基本的な国語力は不可欠。 だが、

普段から日本語能力を意識的に磨いている人は多くない。

 

この技法を使ってみたがうまく行かない、とか、あまり効果が無い、と

言うユーザーがその辺に気付いて下さると良いのですが、こりゃ難しい、

使えないね、、 で終わってしまう。

 

その手の人が増えて、誰も使わない技法になりかねない、、 日本語の

将来が不安、イコールこの技法の将来も不安、、 それは講師を演じて

いた頃すでに、薄々感じておりました。

 

簡明適切な表現で誤字なく記入する、その程度の日本語も怪しいオトナ

が珍しくなかったので。

 

*   *

 

集合研修のハイライト、<実務課題での活用>のグループ討論では誰か

一人、メンバーが提供する情報をグループ作業用の大きなシートの欄に

書き込んで行く役を引き受けるわけですが、

 

これが必ずしもスムーズでない。 書き込むべきことが漸く決まっても、

「それをどう記述するか?」でヒッカカル。 次にそれを書こうとして、

「ありゃ? どんな字だっけ?」。

 

妙な当て字をしたり、かな書きで済ませたり。 それでもメンバーには

分かる、なら大事の前の小事、講師は口出ししない。 <技法の時間>

であって、国語の、ではありませんからな。

 

しかし、シコリを残す人もいるでしょうな。 ワープロ症候群とは言え、

字を知らないと見られたり、悪筆で読めない、、 では、本人も傷つく

だろうが、周りも居心地宜しくない。

 

「いちいち書くってのが面倒ですな」とも言われましたよ。 たしかに

面倒、だが世の中の計算すべてが暗算や電卓で済ませられないのと同様、

厄介な考え事は<筆算>でせねば、、 そのための Rational Process。

 

*   *   *

 

その<面倒>解消に文明の利器を活用すべきとご提案下さる、あるいは

PC用にソフト化されていないのかとご質問下さる受講者に出会うこと

も稀ではありませんでした。 が、

 

Rational Process は考えや議論の手順と集めるべき情報の種類を指示

するものであって、各段階での評価や選択は当事者の主観によらざるを

得ず、従ってソフト化はほとんど不可能。

 

僅かにDA(は一種のスプレッドシートですから)の掛け算、足し算を

やらせる程度のPC(もとが<計算>機!)ソフトはあったが、それを

買った、使った、という実例には接したことが無い。

 

従って工夫の余地は、利器、即ちハードの活用にしか無い。 たとえば

PCを用いてキー入力、とすれば<字>に関する悩みは即刻解消できる。

 

そして液晶プロジェクタで映し出せば、大きな紙シートも要らなくなる。

さらに討論の成果をFDに収め、コピーして配付することも可能になる。

それらハードが備えられた研修施設も増えているので、試す価値あり、、

 

今やPC一人1台時代、ついでに教材をCDで提供すれば、バインダー

が立派で重みが、、という、賞賛か苦情か分からない評価を頂くことも

避けられる、、と<上>に報告し、提案し、<試作品>も見せたのです

が、あいにく教祖はハイテク・アレルギー、、

 

しかも社の方針は<研修>専門、<コンサルティング>には決して踏み

込まない、いわばアフター・サービス無し。 <eメール式サポート>

など思いも寄らない、、

 

じゃ、自分でするほか無い、で「おたすけマン」を始めることに、、、

おや、また脱線。 本題は<日本語力>でしたな。

 

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●言霊、とまでは申しませんが、

 

言葉の持つ<力>は信じております。 ワークシートにどう記述するか、

で訴える力はずいぶん変わって来ます。 それが知的生産を促進させる

必須技能としての<レトリック>、ただの美辞麗句ではありません。

 

研修中、各グループの作業進捗状況を見回り、シート記述内容を吟味し、

時には表現の修正を助ける、、と、にわかに議論が白熱し始めたりする。

受講者の業務知識と記述力は、必ずしも正比例しないようでした。

 

特に、旗印<ステートメント>は一発でピンと来させなくてはならない。

そのため切り詰めた表現が必要で、それには優しげなヤマトコトバより

角張った漢語や文語体の方が有利。

 

その観点から、日教組的<ひたすらヤサシク>する傾向は、知的作業の

生産性を損なって反国家的ですらある、、

 

 

と私は案じておりますが、先日の報道によれば<昔ながらの日本語>が

分からない、当然使わない、という若者が激増している由。 ほら、ね。

 

「文化庁の国語に関する世論調査で分かった」とは笑止、わざわざ調査

するまでも無い周知の事実。 せっかくなら、だからこうしよう、まで

詰めて欲しかったぜ、お役人さん。 記事によれば、

 

 今年1月、全国の16歳以上の男女3千人を無作為抽出、面接調査を

 実施。 有効な回答は2192人。

 

<面接>で808人も<無効>? どんな調査の仕方なんだ? それが

不思議で文化庁のサイトを覗くと、<「国語に関する世論調査」の結果

について>は平成12年度分までしか載っていなかったが、

 

<回答率>は平成7年度から12年度の間、73.7、74.7、73.0、73.3、

73.2、73.1。 上記は13年度分 73.1 %。 まるで作為的に 73、4。

 

*   *

 

その<安定>ぶりから想像するに、初回たまたま生じた数値が後々まで

<基準>とされ、その<前例>を超えないことが MUST 、調査の本質的

WANT は忘却されたに違いない。 

 

しかし<調査の目的>は一応掲げられている。 たとえば12年度のは、

  「言葉遣いの乱れや日常のあいさつなど、言葉遣いに関すること、

  言葉のしつけや言語環境に関すること、情報機器を用いたコミュニ

  ケーションに関することなどについて、国民の意識や実態を調査し、

  今後の国語施策の参考とする。」

 

<目的>は毎年少々異なるが、その時節柄のキーワードを盛り込む程度。

<情報機器>が以前は<ワープロ>だったとか、<参考>に供する先が

<国語審議会の審議>とか。

 

ここでも<前例>を超えないことが MUST か、敢えて進歩させない構え。

 

*   *   *

 

じゃ、<国語施策>とは何か。 クリックすると、<「言葉」について

考える親と子のためのワークショップ>なるものを本年は全国6カ所で

実施した、という。 じゃ、と

 

その<6カ所>をクリックすると<サーバーエラー!>。 決して何も

分からせないようにしてあるんですな。 本当に<実施>したのかね?

ましてどんな成果が挙がったかは、どこを見るべきか、も分からない。

 

また、世論調査を行ない、資料「ことば」シリーズを作成配布した、と

も出ているが、前者は前記の調査だろう。 そして後者は、作成は国立

国語研究所、配布先は公的機関、大蔵省印刷局で刷り、市販もしている、

と。 つまり発注から作成、印刷、そして配布先まで、すべて役人同士。

まさに<花見酒>(教訓的な落語でしたな)の世界。

 

さらに、「美しく豊かな言葉を目指して」というビデオテープも作って

いる、ともあったが、前項同様<申し訳>的<花見酒>事業に違いない。

国家百年の計、誰か立ててくれているのかな?

 

ほかに、<国語問題研究協議会>や<国語施策懇談会>を催した、とも

されているが、<施策>の中に<施策懇談会>とは堂々巡りじゃないか。

そうした会合の成果は、どこを見りゃ分かるんだ???

 

       肝心の回答<無効>の説明は、ついに見付からずじまい。

 

*   *   *   *

 

これが<文化庁>。 戦後ひと時期、文化鍋や文化包丁、文化箒に文化

ちり取り、果ては文化オムツ、、 日用品の多くに文化の2文字が冠せ

られて<安っぽい>の同義語になりましたが、ああ、文化庁よ汝もか!

 

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●<昔ながらの日本語>を解しない

 

のは、オトナなら知的怠慢、コドモなら教育の失敗。 たしかに言葉は

生き物、時代相に合わせて変わるだろうことを否定するものではないが、

 

教えれば身に着くもの、であることも事実。 某日TV報道では、2歳

から6歳の幼児が<学習保育所>で遊びながら漢字を学んでいる、と。

 

ゲーム感覚、だそうですが驚くなかれ、オトナもろくに知らぬ歴代天皇

の名を次々漢字で読みこなす。 また、国字(漢字風国産文字)ですが、

寿司屋の湯呑みにあるような魚類の名称一文字を次々言い当ててしまう。

憶えられない? 使えない? 冗談じゃない、の印象。

 

 

今回の調査では(「けんもほろろ」、「よんどころない」、「つとに」

など)<慣用句>が取り上げられていたが、それも一緒になって使って

いれば憶えられない、使えない、なんてこと無いはずだが、

 

<一緒に>が問題。 講談、落語、浪花節、、<昔ながらの日本語>を

用いる芸能がみんなすたれてしまい、<一緒に>楽しみ、それで文化も

伝承される、という生活習慣が今は無くなってしまった。

 

ニュースのコメンテーターも、「同じ世代同士でしか会話しない傾向の

せいでしょう」。 だから、世代間で使う言葉が分かれて、四十代以上

の四、五割が「理科系」<しか>使わず、他方、十代の四割が「癒し系

<しか>使わない」ことになる。 断絶は深刻です。

 

しかもたまたま、これは象徴的な例でした。 「癒し系」は主観の用語。 

それで癒されるかどうかには個人差があり、そう思う、だけの<意見>。

 

一方「理科系」は、履修学科目や業務担当分野の専門傾向から言うこと

で、客観的裏付けのある<事実>。

 

つまり若い世代は感性が先行、裏付けなく<それ>と思い込む傾向あり、

と見るべきかも。 問題解決場面では、彼らの発言を鵜呑みにせぬこと。

 

*   *

 

Rational Process は<質問の体系>。 その質問で<事実>を抽出し、

ワークシートを埋めて行きますが、今はそれに加え、別の質問が必要に

なりました。 たとえば

 

それぞれの情報に、裏付け資料は? その根拠は? その背景事実は?

など訊いて、単なる<意見>でないことを確かめなくてはなりません。

 

何せ<日本語>は多義的、そこに<日本人>も多様化。 同じ日本人、、

なんて油断しちゃいけません。 質問無くして安心無し。

                          ■竹島元一■

 

    ■今週の<私の写真集から>は、 ★祈りに集う★

 

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